「鎌倉地図草紙」異界を歩く – 甦る異界都市鎌倉

「鎌倉地図草紙」異界を歩く – P04-05

甦る異界都市鎌倉

鎌倉時代を武士の時代というが、質素を旨とすること、また、敵を寄せ付けない軍事基地であると考えると、はたしてそれだけのものだったのだろうか。

否、朝廷という絶対の権威に対抗した頼朝は鎌倉を京に匹敵する華やかな都にする構想を持っていたはずである。更に、鎌倉は決して武士だけの街ではなく、多くの宗教家と町人により新しい経済を育てていった総合都市であったはずだ。

大町、小町など現在日本中にある地名もすでに鎌倉にはあり、商業の街としても現代に繋がる接点が息づいているのではないか。

中世鎌倉期にはどこにでもあっただろう「異界」の感覚が今も奇跡的に漂っている街、日本人が本能的に感じる文化に対する発見のある街、鎌倉を探訪してみよう。