鎌倉の異界探訪 弐・・・化粧坂

「鎌倉地図草紙」異界を歩く – P38-39

鎌倉の異界探訪・・・弐 化粧坂

JR鎌倉駅から徒歩20分 鎌倉七切通しの一つ。この切通しは武蔵方面へ通じる主要な出入口として鎌倉の防御上重要な意味を持った。

建長三年(1251年)に幕府が出した鎌倉商業地区を定める法令の中に「気和飛坂山上」が挙げられている。

現在源頼朝像のある源氏山山上の公園か、葛原が岡一帯を指すと考えるのが妥当だろう。

この一帯では埋葬人骨が発見されている。中世都市鎌倉の住民たちは浜のほか周辺の山中にも死者を遺棄していたに違いない。商店街の賑わいと死者との共存。信じがたいような風景だが山中他界といわれるようにここにも浜と同じような「解放空間」の原理が働いていたのだろう。